旅行日:2022年6月24日
茨城の笠間市に、銀座の日動画廊が運営している日動美術館がある。 この美術館で、開館50周年を記念した「モダンアートの軌跡」という美術展が開催されていた。 銀座の画廊は敷居が高すぎて縁がないが、美術館であれば気軽に入れる。
ということで、笠間焼の買い出しツアーを兼ねて出かけることにした。 せっかくなので一泊し、涼し気な袋田の滝などにも訪れ、毎年「魅力度ランキング」で最下位を誇る茨城県の魅力探しツアーを行うことにした。
袋田の滝は遠かった
まず最初に訪れたのは袋田の滝。 冬であれば氷結して美しい姿を見せるようだが、夏場はどうなのだろうか? 那珂ICで常磐道を降り、水郡線に沿って一般道を長々と走り、やっと袋田の滝入口に到着である。
トンネル通路を通って滝に向かう。 遠い昔に来たことはあるが、当時もトンネルなどあったのか? まったく覚えていない・・・
袋田の滝は日本三名瀑に数えられるそうだ。 華厳の滝や那智の滝の豪快な姿と異なり、4段の大岩壁を白いレースのように優しく流れ落ちている。
見方によっては”流しそうめん”とも思える。
滝へ通じるトンネルの途中には観瀑台が設けられ、滝の迫力を間近に感じることができる。
袋田の滝は秋の紅葉時期も美しいだろうが、やはり真冬の全面氷結時がベストで、一度訪れたいとは思う。 しかし思っていた以上に遠かった。 また常磐道の那珂ICから袋田の滝までの間、要するに茨城県北部には何も無いことを実感した。 魅力といえば”のどかさ”と言えるかもしれない。
笠間日動美術館 さすが日動画廊 !
銀座にある日動画廊は敷居が高く、店内に足を踏み入れるにも躊躇してしまい、中に入ったことは一度も無い。 そんな画廊が運営する美術館が、開館50周年を記念した美術展を開催しているので訪れた。
美術館はなだらかな丘陵地に立ち、中央部の芝生の広場には彫刻が展示されている。
美術展の出品作品は「さすが日動画廊!」と思える作品ばかりであった。 ゴッホやセザンヌなど、ヨーロッパの巨匠の絵は勿論、名前を知っている日本人画家も数多く展示され、なかなか見ごたえのある美術展であった。
もっとも私は絵に詳しい訳ではない。 恥ずかしながらテレビの「なんでも鑑定団」で画家の名を知り、その画家たちの作品が出品されていたということである。
割烹旅館「城山」
妻が友人から勧められた、笠間市内にある「割烹旅館館城山」にこの日は宿泊。
お風呂にはバラの花が浮いていた。
割烹旅館というからには、きっと料理はおいしいものと思える。 しかし何を血迷ったか、予約した料理は「常陸牛のスキヤキ」。 暑いこの時期にスキヤキとは!
きっと肉が食べたかったのだろう・・・
この写真以外にも料理はあったが、メインはスキヤキであり、やはり美味かった・・・
笠間稲荷神社
宿のすぐ前に「笠間稲荷神社」がある。 日本三大稲荷に数えられるというので、翌朝宿をチェックアウトして訪れてみた。 稲荷神社なので赤い鳥居が連続しているかと思ったが、それらしきものは無かった。
鳥居をくぐり、参道を進むと楼門が現れた。
楼門の先には拝殿が。 旅の無事と、ボケずに元気な老後をお願いする。
東門。 文化13年(1816)に再建されたそうだ。
明治32年(1899)築の絵馬殿。 奉納された額や絵馬が、所狭しと飾られている。
笠間の家 建築家・伊藤豊雄設計のお洒落な家
日本を代表する建築家「伊藤豊雄」による設計で、内部が公開されている。 陶芸家の「里中英人」のアトリエ兼住居として1981年に建てられ、日本建築家協会新人賞を受賞した作品だそうだ。
白が基調で、実にシンプルで洒落た空間を醸し出している。 このような家に住みたいと思うが、常に家の中を片付けてシンプルさを保つ努力が必要である。 私が住むと、生活感溢れる雑多な空間になってしまうだろう。
笠間焼買い出し
最期は今回の旅の目的である、笠間焼の買い出しである。 妻のビアマグやコーヒーカップ、私の湯飲み茶碗を目的に、ギャラリーロードと呼ばれる道沿いの店を梯子する。
「回廊ギャラリー門」という店。 中庭を囲むように焼き物が展示され、種類も豊富であった。
他に何軒かの店を回り、更に”笠間工芸の丘”を訪れ、10点ほどの焼き物を購入した。 中でもお気に入りの品は、下の2つである。
左はそば猪口だが、湯飲み茶碗として使おうと購入。 手の中にスッポリと入り、全体に薄手である。 お茶を入れると熱くて持てないかと思ったが、問題は無かった。
右はガラスのコップ。 笠間焼を買いに行ったが、何故かガラス工芸品を買ってきた。
茨城の海沿いには大洗や常陸那珂など、魚の美味しい宿が多い。 更に北茨城までアンコウ鍋を食べに行ったこともある。 また県中央部には筑波山があり、東京の高尾山と同じようにハイキングを楽しめるし、群馬側には結城市や古河市が良い街並みを持っている。
今回の笠間も含め、茨城には魅力ある場所は多い。 ただ個々の場所が離れていることと、アピールが不足しているような気がする。 魅力度ランキングは低いが、「知る人ぞ知る茨城・・・」で良いのではなかろうか。
最期に・・・ まだ6月だというのに、笠間はメチャクチャ暑かった!