旅行日:2020年11月25日~26日
新型コロナウィルスの感染拡大により、落ち込んだ観光業界テコ入れ策として、「Go Toトラベル」という有難い観光支援策が実施された。 何といっても宿泊料金が35%もの割引。 更に15%分の「地域共通クーポン」をもらえるとあっては、利用しない手はない。
さてどこへ行こうか・・・ と考えていると、妻が「上田城に行ったことがない」という。 早速宿を探すと、別所温泉の旅館「花屋」の予約が取れた。 そこで小諸城、上田城、松代城と、信州の3つの城を1泊2日でめぐることにした。
なお 当記事を書いている現在、2度目の緊急事態宣言発令により、このGo Toトラベル支援策は残念ながら休止中である。
北国街道 旧道を走ることを目論んだが ・・・
2014年5月に軽井沢の追分を自転車で出発し、北国街道の旧道を小諸、上田、長野と走り、最後は新潟の直江津で日本海を眺めるチャリンコ旅をした。 したがって今回の旅行先は、個人的には行ったことのあるルートである。
今回は車で走りながら妻をガイドしようと目論んだ。 しかし自転車程度の速度なら良いが、車のスピードだと国道から旧道に入る分岐を見逃すことも多く、早々に諦めて、ナビにお任せで目的地を目指すことになった。
旧小諸藩士が小諸城を払い受けた「懐古園」へ
最初の目的地は「小諸城址」へ。 「懐古園」と呼ぶほうが一般的だろうか? 城郭が城下町よりも低い位置にある、日本で唯一の「穴城」だそうだ。
入場時にもらったパンフレットによると、明治維新で廃城となり、荒廃していく小諸城を憂いた旧小諸藩士達が、資金を集めて小諸城を払い受けた。 そして本丸跡に神社を祀り、花木を植えて公園にして「懐古園」と命名したそうだ。
小諸城 大手門
しなの鉄道の小諸駅を挟んで、懐古園の反対側にある大手門。 小諸城の正門で、本丸から数えて4番目の門なので「四の門」とも呼ばれている。
三の門
大手門から地下道で駅の反対側に出ると、懐古園の入口「三の門」である。 寄棟作りの屋根を持つので、一見お寺のように見える。 掲げられた扁額は、徳川宗家16代当主である徳川家達の筆によるものだそうだ。
二の丸跡 徳川秀忠が本陣を構え上田城を攻めたが・・・
天下分け目の「関ケ原の戦い」に向かう徳川秀忠が、西軍真田昌幸・幸村の居城である上田城を攻め るため、小諸城 二の丸に本陣を構えた。 しかし真田軍に翻弄され、結局和睦。 これが原因で関ケ原に遅参し、父である家康に大目玉を喰らったことは有名である。
二の門跡
二の門は渡櫓門で、大手門に匹敵する規模だったという。 鉤型に道を曲げて枡形を作り、突破されることを防いだのだろう。
天守台と本丸御殿
小諸城本丸には、本丸御殿と三層の天守があったが、寛永3年(1626)に落雷により焼失。 その後再建されることはなかった。 本丸西側の石垣と、奥に天守台の石垣が見えている。
しなの鉄道・鉄印をもらう
しなの鉄道の「鉄印」を貰いに駅に立ち寄る。 しなの鉄道の鉄印はスタンプであった。
北国街道の宿場町 海野宿へ
北国街道は中山道と北陸道を結ぶ重要な街道で、佐渡で採れた金の輸送、北陸の諸大名の参勤交代、善光寺への参詣客など、多くの人々で賑わった街道である。 この北国街道の宿場の一つが海野宿である。 明治時代に宿駅制が廃止されると、宿場から養蚕業へと転身して栄えた。
うだつの上がった家々
宿場内には用水が流れ、その両側には美しい格子戸を持つ家が並ぶ。 宿場の雰囲気を残す「出桁造り」の家や、 養蚕造りの特徴である「気抜き」 を持つ家、また「本うだつ」や「袖うだつ」を持つ家などが並ぶ。
豪華な袖うだつを持つ家。 屋根だけでなく、うだつの上にも「しゃちほこ」を載せている。 これがまさに「うだつが上がった」ということだろう。
白鳥神社 木曽義仲挙兵の地
海野宿東側入口に白鳥神社が建つ。 海野宿の産土神だけでなく、真田家の氏神として祀られた。 また社前の道路を隔てて千曲川が流れ、その河原で平家討伐のために木曽義仲が挙兵したという。
境内には樹齢700年以上といわれる、欅の巨樹が御神木として立つ。
別所温泉「花屋」 有形文化財の宿
この日の宿である別所温泉の「花屋」へ。 大正6年創業、その建物は国の有形文化財に指定される老舗旅館。 そして6500坪という敷地に、渡り廊下で結ばれた離れの部屋。 一度泊まりたかったが、運が良いことに予約が取れた・・・
宿に到着すると、何やら城のような建物が迎えてくれる!! 旅館とは思えない・・・ さすが有形文化財の宿だけある。
レトロで瀟洒なラウンジ
正面玄関で番頭さんのお出迎えを受け、車のキーを預けてチェックインへ。 しかしフロントを通り過ぎ、レトロモダンな雰囲気漂うラウンジへ通される。
大正浪漫を彷彿とさせてくれるロビーで記帳を済ませ、仲居さんの案内で部屋に向かう。
離れの部屋を結ぶ渡り廊下
この宿の部屋は離れとなっていて、すべて渡り廊下で結ばれている。 歩くとギシギシと軋むような渡り廊下を進み、思わず「おぉ~すげぇ~!」と声が出る。
渡り廊下というより、複雑な回廊のようである。 下手をすると迷ってしまいそうである。
昔懐かしい部屋の作り
部屋は次の間と広縁付きの8畳間。 豪華さはないが、窓枠もすべて木製である。 次の間にある飾り棚や鏡台などからは、レトロ感が香り立っていた。
豪華 大理石風呂と露天風呂の温泉めぐり
花屋には内風呂の「大理石風呂」「若草風呂」と「露天風呂」がある。 特に大正浪漫を感じるステンドグラスと、総大理石造りの内風呂は豪華の一言。 残念ながら先客がいたので写真は撮れなかったので、花屋のHPより借用した。
露天風呂で朝風呂に浸かる。 情緒あふれる渡り廊下の先に、緑に囲まれた露天風呂がある。
もう一つの「若草風呂」に夕食後に入ろうと思ったが、食後の一休みのつもりで布団にゴロンとしたら、次に気づいたのは朝だった・・・
ダイニングの天井造作も一見の価値あり
夕食は食堂へ。 「食堂」と書くと安っぽく聞こえるので、ダイニング会場と書くべきか? 一歩中に踏み入れた途端、「おぉ!」と思わず天井を見上げてしまった。
お楽しみの夕食の始まり。 料理はどんどん運ばれ、お酒もぐいぐいと・・・
言葉は要らない。 ただ旨い酒と、酒のすすむ美味い料理を愉しむだけ。 至福のひと時とはこのことだろう。 生きてて良かった!! 素晴らしい懐石料理、ご馳走さまでした・・・
もう一泊したいところだが、懐事情もあるので翌朝チェックアウト。 上田城や松代城を訪れた2日目の様子は、次回に続く。
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