宮城県塩釜市 神秘の「四口の神釜」と東日本大震災

御釜神社

旅行日:2023年4月20日

昨年はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に絡め、伊豆長岡にある北条一族ゆかりの願成就院などを訪れた。 そして今年は奥州平泉で栄華を極めた、藤原三代の地を訪れることにした。

ついでに栗駒山か安達太良山に登ってこようと思ったが、まだ残雪が多い。 雪山の装備まで持っていくのは面倒なので、登山は断念。 その代わり塩釜を訪れ、不思議パワーを現在も発し続ける、御釜神社の「四口の神釜」を拝んで神秘に触れてくることにした。

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陸奥国一之宮 塩竃神社を詣でる

まず訪れたのは塩竃神社。 陸奥国一之宮といわれる歴史ある神社で、平泉の藤原氏や、仙台の伊達家から厚く崇敬されたという。

駐車場から塩竃神社に向かう道には、枝垂桜が少し残っていた。

塩竃神社

塩竃神社拝殿

本殿は拝殿の奥にあり、右宮本殿と左宮本殿の2つがあるという。

塩竃神社

拝殿手前にある「文治の灯篭」 文治3年(1187)に、藤原秀衡の3男が寄進したという鉄製の灯籠。 松尾芭蕉の奥の細道にも登場するらしい。

文治の灯篭

これが天然記念物の塩釜桜か? 八重桜というより、まるでダリアのように花弁が多い。

塩釜桜

塩釜湾の眺め

塩竃神社と同じ境内にある志波彦神社からの眺め。 桜は終わったが、新緑が綺麗であった。

塩竃神社

表参道 202段の階段を避ける

塩竃神社の表参道は、傾斜のきつい202段の石段。 下から登ろうと思ったが、駐車場から本殿に来ると階段の上である。

わざわざ階段を下って登りなおすことも無い。 心の中では「良かった!」と喜んでいた。

塩竃神社表参道

七曲坂 最も古い参道を下る

塩竃神社で最も古いといわれる七曲坂。

岩盤の露出するつづら折れの坂道は歩く人も少なく、緑に囲まれた静かな道を下る。

塩竃神社七曲坂

万能の「うまくいく御守」

妻が御朱印を貰っている間に、何気なくお守りを見ると、「うまくいく御守」というものを発見。

このゆる~ぃ名のお守りは・・・ 受験でも恋愛でも何でも来やがれ! という万能薬か?

ならば6月に入院手術するので、「手術がうまくいきますように・・・」と購入。

自宅に戻り調べると、結構有名なお守りらしい。 お守り袋には今年の干支が付いているので、年内限り有効・・・ ということなのだろう。

うまくいく御守

御釜神社 東日本大震災を予言した「四口の神釜」

日本三奇の一つといわれる「四口の神釜(よんくのしんかま)」がある御釜神社へ移動。

塩竃神社の末社にあたるが、多くの人で賑わう塩竃神社に比べ、御釜神社はこじんまりと、そしてひっそりと佇む、どこにでもあるような小さな神社であった。

御釜神社

御釜神社は人々に塩の製法を教えたという、”塩土老翁神(しおつちおじのかみ)”を祀っている。

この塩土老翁神が塩づくりに使った鉄の釜をまねて、鎌倉時代と南北朝時代に作られたという4つの神釜がある。

その神釜は鍵のかかった建屋内に鎮座し、更に柵に囲まれている。

四口の神釜

社務所に初穂料100円で参拝をお願いすると、女性の方が出てきて鍵を開けてくれ、更にいろいろな質問に丁寧に答えて頂いた。

神釜は写真撮影禁止なので、他のサイトにあるように自分で稚拙な絵を描いてみた。

四口の神釜

直径1m近いお釜が埋められ、満々と水を湛えている。 この水は海水だそうで、余り深くはなさそうだ。

水は澄んでいるようだが、底に錆色の沈殿物のようなものが広がり、全体的に黄褐色にみえる。

決して美しくもなく、また神々しさもない。 しかし 何の変哲もないこのお釜は、どえらい神秘のパワーを持っているのだ。

この四口の神釜を祀る建物には屋根がないが、お釜の水は溢れることも涸れることもないという。

更に、天変地異の前触れとして水の色が変わるという。 寛永13年(1636)の2月に水の色が変わり、その3か月後に藩主・伊達政宗が逝去したという記録があるそうだ。

そして・・・

そして・・・

平成23年(2011) 3月11日の朝、2つのお釜の水が透明になったところが目撃された!  その後の惨事は、誰しも記憶に新しいところだろう。

案内してくれた女性に聞くと、自分は水の色が変わったところは見ていないが、その話は聞いているという。

そして津波は御釜神社を避けるように、神社手前で二手に分かれて流れ、神社は津波の被害を免れたという。 決して周辺より土地が高いわけでもないようだが・・・

津波も避けて通る神秘のパワー炸裂! 恐るべし 四口の神釜!!

清酒「浦霞」の蔵元発見

御釜神社の神秘に触れたおかげで、お腹が空いた。 さぁどこで食べよう・・・と店を探しながら歩くと、なんと御釜神社のすぐ近くに、清酒「浦霞」の蔵元があるではないか!

浦霞醸造元 浦霞醸造元

これも御釜神社の「四口の神釜」の霊験か? ありがたくも喜んでお酒を購入する。

回らない寿司屋へ

米どころ宮城のお米と、塩釜港の新鮮な魚介類を使った寿司。 塩釜は寿司で有名だそうだ。

では久し振りにくるくる回らない寿司を食べようと、「鮨 しらはた」という店に飛び込んだ。

鮨しらはた

写真はあまり美味しそうに撮れなかったが、やはり美味い。 ネタは勿論のこと、握り方からして回転ずしとは違う。

回転ずしと比較しては失礼か・・・

多賀城跡へ 日本百名城のスタンプを貰うだけ

この日の宿泊地である仙台に向かう途中、日本百名城の一つである多賀城跡へ立ち寄る。

多賀城は奈良時代初め頃の神亀元年(724年)に創建され、陸奥国府と鎮守府が置かれたところ。

広い野原に政庁跡の礎石が並ぶだけで、城跡というイメージはない。

多賀城跡 多賀城跡

管理事務所にある日本百名城のスタンプを押して、早々に仙台に向かう。

伊達政宗の墓所・瑞鳳殿と仙台城跡

多賀城跡からさらに車を走らせ仙台市内を目指し、伊達政宗の墓所である瑞鳳殿を訪れる。

瑞鳳殿

煌びやかで豪華絢爛な装飾に彩られた建物は、徳川家康の日光東照宮に引けを取らない。

瑞鳳殿 瑞鳳殿

本殿両脇には、殉死した家臣や陪臣の宝篋印塔が並ぶ。

瑞鳳殿

仙台城跡(青葉城跡)

ホテルに一泊した翌朝、百名城のスタンプを得るために、青葉城とも呼ばれる仙台城に立ち寄る。

将軍家康から睨まれないように天守閣を築かなかったというが、本丸跡の高い石垣が残る。

仙台城跡

本丸には有名な伊達政宗の騎馬像が・・・

仙台城跡

本丸からは仙台市街が一望できる。

仙台城跡

多賀城跡と仙台城跡は、日本百名城のスタンプを押すことを目的に立ち寄ったものである。

日本百名城をすべて回るつもりはないが、中山道を歩く旅の途中にも百名城に数えられている城がいくつもあるので、押印しながら歩いている。

明日は平泉に移動し、中尊寺や毛越寺を訪れる。

 


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