千葉市の消防局で、2日間の講習を受けて「防火管理者」の資格を取得した。
今年はマンションの管理組合役員となり、その中でも防災担当となった。 そして防災担当者がマンションの「防火管理者」も兼ねるため、その資格取得が必要となったためである。
新型コロナウィルスの関係で講習は中断されていたが、ようやく再開した。 あまり気乗りはしないが、「まぁしょうがない・・・」と受講したついでに、千葉県庁近辺をぶらりと散策してきた。
講習の申込み
受講した講習は「甲種防火管理者」という種類。 千葉市のホームページで講習会日程を確認し、申込用紙をダウンロード。申込書に記入して、最寄りの消防署に持参すると、10分ほどで受付完了。 受講時の注意書きと受講票、受講料(\4200)の振込用紙が渡された。
【講習当日の持参品】
- 受 講 票
- 筆記用具
- テキストを入れる袋(バッグ等)
- 本人確認書類(免許証、パスポート等)
- 受講料の振込受領証(領収書)
いざ講習会へ
受講生は多かった
講習が行われた場所は、千葉県庁の近くにある千葉市消防局の建物。 「セーフティちば」という名があるようだ。
外観は立派だが、よく見ると外壁はかなりくたびれた状態であった。
講習は朝8時半から受け付け開始。 講習開始が9時半からである。 会場は大教室や劇場のようなスロープを持ち、収容人数は多そうだが、今回の受講生は100名程度のようであった。
新型コロナウィルスの対策もしっかりと行われ、受講生の座席間隔を広くするだけでなく、教室受付時に手の消毒と体温測定、そしてマスク着用であった。
テキストを見て嫌な予感が・・・
受付を済ませ、指定された席に着席。 目の前には使用するテキストが積まれていた。
主となるテキストを手に持つと、ズシリと重い。「なんでこんなに重いんだ?」と思いながら、パラパラとページをめくると、びっしりと文字のオンパレード。
もちろんイラストも随所に入っているが、運転免許更新時に受ける講習程度かと軽く考えていたが、これは大きな誤りであった・・・
学校と同じような1時間授業形式であった
2日間の講習スケジュールを見ると、学校と同じように1時間の授業と15分の休憩時間で行われ、すべて座学である。
【 1日目 時間割 】
- オリエンテーション
- 1時限目 防火管理の意義と制度の概要
- 2時限目 火器取扱いの基本知識と出火防止対策、地震対策
- 昼休み(1時間)
- 3時限目 施設・設備の維持管理 Ⅰ
- 4時限目 自衛消防 Ⅰ
- 5時限目 防火管理の進め方と消防計画 Ⅰ
【 2日目 時間割 】
- 1時限目 防火管理者の責務
- 2時限目 工事中の防火管理対策と火災事例研究
- 昼休み(1時間)
- 3時限目 施設・設備の維持管理 Ⅱ
- 4時限目 自衛消防 Ⅱ
- 5時限目 防火管理の進め方と消防計画 Ⅱ
- 効果測定と修了証交付
いかにも眠たくなりそうなカリキュラムである。 全くの門外漢であり、あまり興味もないので眠くなる予感が満ち溢れてきた。
しかし2日目の最後に、「効果測定」と称するテストがある。 合格点に達しないと、居残って補習を受けないといけないとのこと。 そうそう授業中に寝ているわけにはいかなようである。
やはり睡魔との戦いであった
時限毎に講師は次々と交代するが、テキストのポイントとなる部分を講師が読み上げるという授業スタイルの連続である。 しかし「ここは効果測定に出るかもしれない」と指摘し、テキストにマークしておくよう指示を出す講師もいる。
午前中はまだ良かったが、予想したように昼食後の授業には睡魔が襲ってきた。
・頭が徐々に垂れ下がる。
・「ガクツ!」と頭が後ろにのけぞる、
・「ビクッ!」っと体が痙攣する。
「ハッ!」として目を覚ますと、テキストにはミミズがのたくったような線が引かれていたが、涎を垂らした跡はなかった。
周りを見渡せば、同じように頭を深く垂らしている受講生は何人もいたが、さすがに机に突っ伏している人はいなかった。
「効果測定」という名の卒業試験
2日間の講習を何とか終え、最後に「効果測定」というテストが実施された。
試験時間は15分。 10問出題され、6問以上正解で無事卒業。 5問以下の場合には、居残りの補習を受けなければいけないという。
問題はすべて「誤りはどれか」といった5択形式であった。 問題をしっかりと読み、常識的な判断をすれば大体は判るような問題で、時間も15分で充分であった。
全員合格の「効果測定」 本当にまじめに採点しているのか?
試験終了後、問題用紙と回答用紙は回収。 即座に採点作業に入るとのことだったが、10分後くらいには「全員合格!」と発表された。
そして「修了証」が一人一人に渡されて解散となったが、回答用紙は返却されなかった。 自分のテスト結果ぐらいは知りたいと思ったのだが・・・
10分程度の時間で、100人近くの採点は無理なのだろう。 真面目に採点するより、テストで真剣に問題を読ませることに意義があるのかもしれない。
いずれにしても、睡魔との格闘があったものの、無事「防火管理者」修了証を得ることができた。
昼休み中の小さな散歩
自宅住所は千葉市だが、最寄り駅は京葉線の「海浜幕張」駅。 市役所や県庁のある千葉市の中心部は、ほとんど行ったことはない。 そこで講習の昼休みを利用して、近辺をすこし散歩してみた。
千葉県庁
千葉都市モノレールの終点「県庁前」駅で下車すると目の前にある。 何棟も県庁の建物があるが、中心は19階建ての本庁舎。 19階には展望ロビーがあるそうだ。
2019年の台風15号で失態を演じ、いつまでも「青春だぁ~!」と叫ぶ知事で有名である。
千葉都市モノレール
京葉線の「千葉みなと」駅から、「県庁前」と「千城台」方面へと2路線が走っている。 懸垂型モノレールの営業距離は世界一だそうだが、赤字路線としても知られている。
モノレールの車両はアニメでラッピング。 後で調べると、「ステーションメモリーズ!」 という位置情報連動型ゲームとコラボした、スタンプラリーを行っているようであった。
モノレールの「車止め」を初めて見た
千葉都市モノレールの終点「県庁前」駅を歩道橋から眺めると、少し洒落た作りの姿をしている。
駅から頭上に伸びたモノレールの線路?を見ると、途中でプッツリと消え失せている。 終点駅だから線路がないのは判るが、万一暴走した時大丈夫なのか? 車止めは備えているようだが、 何か心もとない。
千葉城(亥鼻城)
モノレール駅前の歩道橋から、意外な近さで千葉城が見えた。 講習2日目が終わった後に、少し足を延ばしてみた。
平安後期の武将「千葉常重」が亥鼻城として築城したが、当時はまだ天守閣はなく、いわゆる「館」であったそうだ。
ではこの天守は一体何なのか? 昭和42年に千葉氏の歴史を後世に伝えるシンボルとして、小田原城を参考にして建てられたという。 内部は郷土博物館になっているそうだ。
源頼朝の挙兵に参加し、鎌倉幕府樹立に大きな手柄を立てたという「千葉常胤」が、 大きな弓を構える像も立つ。 しかし矢の先は、天守を狙っているようだ・・・
講習を終えて
久しぶりに朝から夕方まで、2日連続の座学はきついものがあった。 しかし講習内容は資格取得だけではなく、日頃の生活でも役に立つ内容であった。
旅行などで宿泊する旅館やホテルの非常口を確認するだけでなく、非常口の開閉確認も必要そうである。 また自宅台所にある消火器のタイプや、天井の火災報知器の種類などは、今まで気にしたことがない。 これは簡単なことなので、帰宅して調べることにした。
火災などの災害は無いに越したことはないが、万一に備えての受講と考えれば、有意義な講習であったと思う。 忘れないようにしておこう・・・