新型コロナウィルスへの感染予防対策である「Stay home」に応じ、自宅にこもる時間が増えている。 しかし気分転換と運動不足を解消するため、1時間くらい自宅近くの散歩をしている。
散歩中に公園や路傍に咲く花を多く目にするが、花の名前を知らないことに改めて気づいた。 そこで花の数本を手折って自宅に持ち帰り、花の名前を調べてみることにした。
要するに「暇だ・・・」ということである。 しかし いくつかの花の名を知れば、これからの散歩が楽しくなるだろう。
「春の雑草」の知識を増やそう・・・
「春の野草」といえば、綺麗な花を連想する。 しかし公園や路傍に生い茂る雑草にも花が咲くが、「何か咲いてる」程度しか思われない可哀そうな花である。
昔から山に登っていたので、高山植物の名前は結構知っている。 しかし身近に花咲く雑草は、「イヌフグリ」「ヒメオドリコソウ」「ホトケノザ」「ニワゼキショウ」「シロツメクサ」くらいしか知らない。 当然「タンポポ」も知っているが、種類の見分け方などは知らない。
散歩中に手折った花は、自宅に着くころにはぐったりとしてしまった。 しかし花瓶代わりの瓶に入れておくと、すぐに元気を取り戻し、さらに蕾だった花が咲くなどして面白い部分もある。
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アメリカフウロ(亜米利加風露)
花の直径は5mm程度。 淡紅色の花で、よく見ると綺麗な花である。 葉は菊の葉の様に深く切れ込んでいるので、すぐに見分けがつく。
名の通りアメリカからの帰化植物だが、山でよく見かける「ハクサンフウロ」の仲間だそうだ。 しかし 片や高山植物として保護され、片や雑草扱いの可哀そうな花である。
マツバウンラン(松葉海蘭)
20~30センチほどに伸びた茎先に、小さな薄紫色の花を付けて風に揺らいでいる。 この花も帰化植物だが、花をよく見ると綺麗な色をしている。
葉の形が松葉、花がウンランに似ていることが名の由来とのこと。 「ウンラン」って何かを調べると、海辺の砂地に咲く花だそうだ。
オニタビラコ(鬼田平子)
公園や歩道脇の植え込みなどでよく見かける花。 しかし日本語とは思えないような、覚えずらい名前である。
「タビラコ(田平子)」より大きいので「鬼」が付くそうだが、「タビラコ(田平子)」という花は知らない。
ついでに「タビラコ(田平子)」を調べたら、驚きの事実を知った。 「タビラコ(田平子)」の別名は「ホトケノザ」。 春の七草の一つだそうだ。 良く知られている「ホトケノザ」は、「春の七草」ではなく、ただの雑草らしい。
ヒメコバンソウ(姫小判草)
コバンソウ(小判草)をぐぅ~っと小さくしたもの。 一粒一粒をよく見ると、2~3mmほどの小さな三角形である。 ちょっとピンボケだが、花の雰囲気はわかる。
カラスノエンドウ(烏野豌豆)
「ヤハズノエンドウ」とも呼ばれるそうで、いたるところで見られる。 先日実家の草刈に行くと、大量にのさばっていた。 しかし根が浅いのか、簡単に抜くことができ、「クソッ!」と思いながら抜きまくった。 「カラスノエンドウよごめんなさい・・・」
ツメクサ(詰草)かウマゴヤシ(馬肥し)か?
公園や道端に、黄色い小さな花が一面に広がって咲いている。 「コメツブツメクサ(米粒詰草)」という名で、赤や白のツメクサの仲間だそうだ。 「米粒」と名が付くように、花の大きさはわずか5mmほどである。
しかしもう一つ「コメツブウマゴヤシ(米粒馬肥し)」という花があるそうだ。 花の形や大きさ、咲く時期、咲く場所などが同じで、見分けは難しいとのこと。
この写真は「コメツブツウマゴヤシ」かもしれない。 しかし「馬肥し」とは、あまりに名が可哀そうである。 これからこの花を見たときは、すべて「コメツブツメクサ」と呼ぶことに決めた。
正体不明の花
一番下に咲く花を見るとわかるが、蕾の先に花が咲いているように見える。 色々調べたが、残念ながら名前はわからなかった。
この花の名は「シレネ」ではないかというコメントを頂いた。 聞いたことのない花の名だったが、それをヒントに調べてみた。 「シレネ」の和名は「ムシトリナデシコ」とか「フクロナデシコ」とも呼ばれ、たくさんの品種があるそうだ。 そして上の写真の花は「フクロナデシコ」ではないかと結論付けた。 コメントを頂いた「半酔」さん、ありがとうございました。
「マンテマ」ではないかというコメントをさらに頂いた。 調べると確かに花の付き方も含め、まさにドンピシャのようだ。 ただ「マンテマ」は赤白の花色で、「シロバナマンテマ」は白色から淡紅色まで幅広く存在すると説明するサイトもあり、上の写真は「シロバナマンテマ」かもしれない。 コメントいただいた「花さん」、ありがとうございました。
雑草と野草の違いは?
「雑草」と「野草」はどう違うのか? あまり深く考えたこともないが、ついでに調べてみた。
空き地や道端など、人が管理する土地に生育するのが「雑草」だそうだ。 つまり管理する人にとって邪魔と思え、草刈りなどで刈り取ってしまうのが雑草とのこと。
逆に人が管理しない場所に生える植物が「野草」ということで、林の中や草原、湿原などが該当するという。
「なるほど・・・」と、妙に納得する「雑草」と「野草」の違いである。 実家の庭にはびこる大量の草花は、抜きまくり、草刈り機でバリバリと、挙句の果ては除草剤・・・ ひどい仕打ちを受けているわけだが、それにもめげずに生えてくるのが雑草である。
このように普通に生活していて気にも留めない雑草の花だが、よく観察すると美しい花だということが判る。 花壇やプランターに咲く園芸種だけではなく、路傍で逞しく咲く小さな花に目を向けてみることも楽しいものである。