大手門は江戸城の正門で、登城する諸大名は、この門から三の丸に入った。 江戸城に勤めるサラリーマンが出入りする、社員通用口みたいなものである。 しかし勅使や将軍もこの門を使ったようなので、やはりもっと格上の正面入り口だったのだろう。
渡櫓は1923年(大正12)の関東大震災で倒壊。 修復されたが、次は1945年(昭和20)の空襲で焼失。 現在の渡櫓は、1966年(昭和41)に、東御苑開園に伴い再建された。
外から眺める大手門
桜田巽櫓を眺め、桔梗濠沿いに歩くと大手門が見えてくる。
大手門の前から、大手町のビル街を眺める。 大手銀行本社など、まさに日本のビジネスの中心である。
現在の大手門は、皇居東御苑への入口として、多くの人が訪れている。
この大手門の門前には「下馬」と札が立ち、大名、役高500石以上の役人、高家、交代寄合など、「乗輿(じょうよ)以上」の資格を持つ者以外は、ここで馬や駕籠から降りなければいけなかった。
枡形から眺める大手門
高麗門から枡形内に入る。 高麗門を振り返ると、和洋折衷の風景が望める。
1945年(昭和20)の空襲で焼失した渡櫓の、屋根に飾られていた鯱(しゃちほこ)が展示されている。 頭部に「明暦三丁酉」と刻印され、明暦の大火(1657年)で焼失した後、1659年(万治2年)に再建された時のものと考えられているそうだ。
渡 櫓
江戸城の正門だけあって、10万石以上の譜代大名2人が警護を担当し、鉄砲などを装備していた。
大手門渡櫓の屋根を見上げると、細かな装飾が施されていることが判る。
大手門を抜け、受付で入園票を受け取って皇居東御苑に入る。 外濠、内濠と巡ってきたが、次は江戸時代の大名登城路を使って、江戸城核心部の見学である。