滋賀県彦根市(1) 城下町に残る袋町遊郭跡

彦根城

旅行日:2022年11月12日

滋賀県彦根市。 言わずと知れた、国宝彦根城の城下町である。 関ケ原の戦い後、西国の抑えと非常時に朝廷を守るため、石田三成の居城であった佐和山城に、徳川家康の四天王の一人に数えられた井伊直政が配された。

その後佐和山城を廃し、新たに彦根城を築城した井伊家は、譜代筆頭の大名として一度も国替えは無く、彦根はその城下町として栄えた。

井伊直政像
彦根三十五万石初代藩主 井伊直政公像

前日まで旧中山道を歩いたが、この日は半日を彦根観光。 その後電車で移動し、長浜市の北方にある、渡岸寺の十一面観音像にご対面して帰京することにした。

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朝の袋町遊郭跡を歩く

城下町と言えば遊郭はつきもの。 彦根には「袋町遊郭」があった。 現在は「袋町」という地名は消え、芹川沿いの河原町2丁目あたりが跡地だそうである。

彦根駅近くのホテルを9時にチェックアウトし、まだ朝早いが遊郭跡を目指すことにした。

この袋町遊郭も他の遊郭同様に、売春防止法の施行とともに遊郭としての営業を終えたが、現在も細い路地に往時を偲ぶ建物が多く残っている。

袋町遊郭跡

彦根城の別名「金亀(こんき)城」の名を屋号に掲げ、遊郭特有の弁柄格子を持つ料理屋のような店があり、その横には「金亀横丁」という名のスナックが並ぶ路地がある。

袋町遊郭跡

金亀横丁を覗いてみる。

袋町遊郭跡

彦根は戦争中の空襲被害が少なく、さらに駅から少し離れた旧袋町遊郭跡は、彦根城を訪れる観光客の目に入らないせいか、再開発とも無縁のようである。

袋町遊郭跡 袋町遊郭跡

「オィ! 朝っぱらから何ほっつき歩いてんだょ!」 路傍のニャンコに睨まれた。

袋町遊郭跡

スナックなどに転業し建て替えられた店もあるが、往時を偲ばせる建物も多く残る。

袋町遊郭跡 袋町遊郭跡

細い路地には小さなお稲荷さんが。 遊郭だった頃には、多くの遊女がお詣りに来たのだろう。 消えた「袋町」の名を冠した、袋町会館という自治会館のような建物がすぐ隣にある。

袋町遊郭跡

遊郭跡といわれる河原町の端に、ちょっと場違いと思える保育園があった。 その名も「るんびにー保育園」。 真っ先に頭に浮かんだのは、タイのバンコクにある「ルンピニー公園」で、現在の河原町界隈のスナックなどで働く、タイ出身者の子供達のための保育園を想像してしまった。

るんびにー保育園

実は「ルンビニー」とはお釈迦様の生まれた聖地の名で、仏教系の幼稚園や保育園の名に良く使われているそうだ。

花しょうぶ通りのレトロな建物

袋町遊郭跡の表通り?の「花しょうぶ通り」には、遊郭建築とは異なるレトロな建物が残っている。

花しょうぶ通り 花しょうぶ通り

滋賀中央銀行の銀座支店とある。 現役で営業しているようだ。

花しょうぶ通り

まだ午前中の早い時間だったので、旧遊郭街は眠っているようであった。 夜になると、スナックなどの看板やドアに明かりが灯り、昼間と違った顔を見せることは間違いない。 弁柄格子の家などは、夜には妖しげなオーラを発するのだろうか??

とにかく朝の遊郭跡めぐりを切り上げて、つぎは彦根城を目指そう・・・

 


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