三国湊 北前船で栄えた町で越前蟹を食らう!

越前ガニ

旅行日 : 2019年3月4日~3月6日

昨年11月に母が亡くなった。 しばらく介護施設の世話になったとはいえ、長きにわたり母の面倒を見てくれた妻への「感謝とお疲れさん会」という理由をつけ、越前ガニ満喫を目的に北陸の福井を目指した。

「大人の休日倶楽部」会員限定の「北陸フリーきっぷ」を利用して出かけたが、レンタカーは使わずに、すべて公共交通機関を利用してローカル色を感じながらの、2泊3日の小旅行である。
 

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雨ニモマケタ 風ニモマケタ 東尋坊

出発の日の天気は全国的に雨。 北陸新幹線線の車窓から、白く輝く剣岳や立山連峰の眺めを期待したが、残念ながらすべて雲の中であった。

芦原温泉駅に到着

金沢で特急しらさぎに乗り換え、福井の芦原温泉駅に到着。 ここからバスで東尋坊を目指す。

芦原温泉駅

雨と風の東尋坊

40分ほどバスに揺られて東尋坊に到着。 雨の中観光客が10人ほど下車した。

3月とはいえまだ寒い季節、さらに雨の平日に観光客は少なく、お土産屋が並ぶ道は閑散としている。

東尋坊

先に昼食を済まそうと店に入り雨の様子を窺う。 弱い雨だが一向にやむ気配もなく、食事を終えて東尋坊の先端に向かう。

東尋坊

土産物屋の家並みを抜け、東尋坊の突端部に出ると

「ブワ~ァ!」 一気に風が強まり、傘は一発で逝ってしまう。

写真を一枚だけ撮り、早々に退散。 滞在時間30秒

 

「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」と出て行った私が馬鹿だった!

繁栄の面影残る三国の街並み

再びバスで「えちぜん鉄道」の三国駅まで移動。

九頭竜川の河口にある三国は、江戸から明治にかけて北前船交易で隆盛を極め、今もレトロな街並みが残る。

東尋坊で壊された傘で何とか雨をしのぎながら、街歩きを楽しむ。

旧森田銀行本店

三国湊で北前船の廻船業を営んでいた豪商・森田家により明治期に設立された銀行で、昭和初期に福井銀行に吸収合併されたそうだ。

当日は休館日で中に入れなかった。

三国湊

旧岸名家

往時の材木商・岸名惣助の町屋で、江戸末期に建てられたそうである。

「かぐら建て」と呼ばれる建物で、「三国でしか見られない形式」とボランティアの方が説明してくれた。

三国湊

落ち着いた街並み

「かぐら建て」や「袖うだつ(袖壁)」を持つ建物が並び、昔の繁栄を偲ばせる街並みが静かに続く。

三国湊

軒下に置かれた石造りの天水桶。 レトロ感を醸し出している。

三国湊

芸妓の置屋だった「魚志楼」

港が栄えたということは、その地に花街・色街が存在していた。

三国の細い路地を入った所にある「料理茶屋・魚志楼」界隈は、「滝谷出村遊郭」と呼ばれる花街であった。 この魚志楼の建物は、往時の置屋だったそうである。

三国湊

三国の街歩き詳細は、下記ページを参照願います。

北前船で栄えた街と遊郭跡を訪れる 三国(福井県)
訪問日:2019年3月4日 カニを腹一杯食べようと、北陸に行くことにした。 最初は福井の越前を候補に挙げていたが、同じ福井県の坂井市にある「三国」という町に行くことにした。 「三国」は九頭竜川の河口に江戸時代から栄えた港町で、明...

 

無言で越前ガニと格闘する!

えちぜん鉄道の三国駅から、街並みをのんびり楽しみながら三国港駅まで歩き、この日の宿泊先である「えびす亭」に到着。

この宿は「たけ庄」という鮮魚店直営の宿で、かに刺し、焼かに、茹でかに、カニしゃぶ、かに雑炊という欲張りフルコースを予約しておいた。

茹でかには1人で丸ごと1杯だそうで、「食べ切れるか?」と一抹の不安もあるが、とにかくカニとの格闘開始である。

かにの刺身

刺身の盛合せの中に、かにの爪が刺身として存在感を示している。

「ガブッ!」「うま~ぁい!」

「その身は甘くて美味しい」 の一言である・・・

越前ガニ

かに刺し以外に、地魚や甘えびの刺身も美味い。 特に白身の刺身が美味しく、名前を聞いたが食べることに夢中になり忘れてしまった。

香ばしい焼かに

次は焼かに。 焼けた殻の香ばしさが食欲を誘い、ほっこりとした甘みが美味い。

このあたりから妻との会話は途切れがちとなり、酒の進みも遅くなる。

越前ガニ

本格的な格闘が始まる

焼かにを食べ終えると、茹でかにが「ドカ~ン!」「ドカーン!」と2皿も目の前に現れた。

「デッ…デカッ…!」

「これ丸ごと独り占め?」「ヤッホーッ!!!」

 

思わず嬉しい悲鳴が口から飛び出す!

越前ガニ

甲羅を剥がし、身を半分に折って貪りつく。

越前ガニ

根が貧乏性なので、「残す」ということは考えられない。 とにかく完食めざして黙々とカニと戦い続ける。

テーブルの向かいを見ると、妻が周りにカニの破片を撒き散らしながら食らいついている。

無言で、ひたすらカニを貪り食う夫婦の姿は、傍から見ると恐ろしげに見えることだろう。

息つく暇なくカニしゃぶ攻め

夫婦2人とも「茹でかに」完食! 戦い終えてホッと一息ついていると、次に鍋が現れた。 「カニしゃぶ」である。

越前ガニ

「しゃぶしゃぶ」と約10秒もやったらカニの「ウェルダン」になってしまった。 やはり5秒前後の「レア」か「ミディアム」程度の方が美味い。

カニのダシが出た鍋に入った白菜・ねぎ・春菊などの野菜や、えのきなどキノコも難なく腹に収まった。

締めはお楽しみの「かに雑炊」

そして最後の締めは絶品「かに雑炊」である。

すでに腹は満腹状態のはずであるが、これは別腹

とにかく美味い・美味い・美味い・・・

 

もう思い残すことは無い・・・ 死んでも良い!

越前ガニ

気付くと2時間半近く食べ続けていたが、ときおり「えぃ!」とカニを切る掛け声を発する程度で、まさに「無言の行」であった。

この日は一人当たり2杯のカニを食べたが、こんなにカニを食べたのは2回目。 どこもかしこも美味しかった!

 

こうしてカニの欲張りフルコースは、夫婦2人とも完食して終了した。 そして満足感とともにグッタリとした疲労感も体内に漂い、まさにカニとの格闘技を終えた感であった。

食べ過ぎの朝食!

一夜明けた朝、昨晩の食べ疲れからすっかり回復し、朝食を見た途端に食欲全開となってしまった。

イカの刺身は大好物。 それにハタハタ、カレイやエビの焼き物、温泉卵・・・

朝食

そしてカニの炊き込みご飯。 食べ過ぎ間違いなしの朝食メニューである。

蟹の炊込みご飯

炊き込みご飯は美味しかったが、個人的には昨晩のかに雑炊を再び食べたかった・・・

 
こうして旅の第1目的である、「越前ガニ満喫の旅」は達成した。 2日目は最初に永平寺を見学し、午後は今回の第2の目的である、戦国武将・柴田勝家とお市の方のお墓を訪れる予定である。
 


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