母の死 そしてデジタル化された葬儀に驚く

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2018年11月17日、母が永眠した。 享年95歳。 人生100年時代といわれる昨今では珍しくないが、一昔前であれば大往生で、赤飯炊いてお祝いするような年齢である。

長男なので喪主として葬儀に臨んだが、当日葬儀場に入って驚いた。 今年親戚や知人の葬儀に2度参列したが、いままで見たことのないようなデジタル化された葬儀であった。

それともそんなこと気にもせずに、ただボーッと参列していただけなのか?
 

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葬儀の準備

葬儀社との打ち合わせで、遺影の写真だけでなく、若い頃や旅行などの思い出写真と品物を用意するように言われた。 式場内にメモリアルコーナーを設け、参列者に見てもらうためだそうである。

遺影候補の写真は決めていたが、思い出写真などは全く考えていなかった。 急いで実家に戻り、あちこち引っ掻き回して写真を30枚ほど選びだした。

遺影写真と思い出写真を葬儀社に持ち込むと、「思い出写真のなかから、サイネージに映し出す写真をピックアップしてください」とのこと。

要するに、大型モニターにスライドショーとして次々と写真を表示する演出を行うそうだ。

デジタル化された数々

遺影はディスプレイへ

祭壇上の遺影は印刷された写真ではなく、上の写真のように黒枠付きのモニターに映し出されていた。

葬儀終了後には、大小の額に入った2種類の遺影が手渡された。 焼き増しをしたいので、デジタルで欲しいと頼んだらUSBにコピーしてくれた。

案内板もすべてディスプレイであった

葬儀場入口に立つ葬儀案内の看板もディスプレイである。

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そしてもう一つの案内板。 当日我家の他に、もう一家族の通夜が営まれるようである。 この2家族分の案内が文字だけで表示され、次に遺影として選んだ写真付きで、家族単位の案内が順に表示されていく。

自分の時は、この写真は勘弁してもらいたい。

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まるで結婚式!

さらに葬儀会場や待合室、清めの食事をする部屋などには、大型ディスプレィが何台も置かれている。

そして事前に選んだ写真が綺麗に加工され、スライドショーとしてエンドレスで映し出されている。

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結婚式のスライドショーと同じで、母の写真だけでなく、私たち兄弟や従兄弟、孫たちの子供時代なども含めて選択したので、参列した親戚関係も懐かしそうに話が盛り上がっていた。

 
 

葬儀社の人に聞くと、これらディスプレィはWiFiで結ばれているそうである。 したがってコンテンツを修正してもすぐに反映するので、一昔前に比べると非常に楽になったそうである。

確かにネットワークとWeb技術が進歩した現在、これらの技術を使わない手は無い。 そのうち仏壇にディスプレィが組み込まれ、遺影や位牌の表示やお経が流れたりするようになるだろう。

さらに式場の受付でスマホをかざしてピィ!とやれば、記帳も御香典も支払われる時代がくるかもしれない。

しかしあまりにデジタル化、IT化が進んで、葬儀の荘厳さが失われてしまっては本末転倒かもしれない。 やはり故人を偲び、丁重に送り出す場であってほしい。

 


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