2017年3月12日~13日
大阪の「東洋陶磁美術館」で、台北・故宮博物院所蔵の「北宋汝窯 青磁水仙盆」が来日・公開されている。 故宮博物院には、青磁を見に2度行ったことがある。 その時に見ている筈だが、とにかく展示物が多いので、あまり印象に残っていない。
東洋陶磁美術館近くの藤田美術館でも、国宝の「曜変天目茶碗」が公開された。 更に調べると、京都・相国寺の承天閣美術館では、「伊藤若冲展(後期)」を開催中ではないか!
昨年夏に、余り調べもせずに東洋陶磁美術館を藤田美術館を訪れたが、この時は大失敗! 「今回は絶好の機会!、行かなければいけない!」と、急遽大阪の美術館めぐりに行くことにした。
人類史上最高のやきもの 北宋汝窯青磁水仙盆
東洋陶磁美術館のキャッチコピーは「人類史上最高のやきもの」とあり、更に「神品降臨」と謳っている。 中国の北宋時代(960~1127)に、汝窯という窯で、宮廷用に作られた青磁のお盆である。
東洋陶磁美術館
総合商社「安宅産業」の会長が収集した、東洋陶磁「安宅コレクション」を中心に展示している。
今回は台北の故宮博物院から、青磁の水仙盆が5点来日し、公開されている。
青磁無紋水仙盆
北宋汝窯の青磁の中でも、最高傑作と言われる「青磁無紋水仙盆」。 他の4点と比べても、確かに美しい。 端正な形、しっとりと感と透明感ある「天青色」と呼ばれる薄い青である。
本物はもちろん写真撮影禁止。 本物はタイトル画像にある、パンフレットのPDFから借用させてもらったが、やはり写真では質感は伝わらない。 下の写真は、写真撮影可能なレプリカである。
それにしても、この水仙盆の用途は良く判っていないらしい。 以前台北の故宮博物院に行った時、日本人の団体がこれを見て、「うちの犬の餌用の皿と同じだ!」と話していた。 確かに犬猫の餌用に使うには丁度良いかもしれない。 また筆洗いに使っていたのではという説もあるようだ。
今回のように数点の出品で、ゆっくりと、何度も見比べが出来る展示は大変良かった。 また同時に「宋磁の美」が開催され、中国や朝鮮青磁などを数多く見られたのも良かった。
その後昼食を済ませ、中の島を散歩しながら、国宝「曜変天目茶碗」を見に藤田美術館へ向かった。 この「曜変天目茶碗」編は、下の記事に続きます。