東京国立博物館(東博) 行って良かった「国宝展」

東博

訪問日:2022年11月20日

上野の東京国立博物館、通称”東博”の創立150周年を記念して開催されている、「国宝 東京国立博物館のすべて」を見にいった。

この特別展は、東博が所有する国宝89点すべてを含む名品を展示するという。 これだけの国宝や重文を一気に見る機会はない。 一生に一度有るか無いかの大チャンスである。

「これを逃す手はない!」と事前予約を確保し、期待に胸を膨らませて行くと、教科書や美術書などで見たことのある逸品のオンパレードであった。

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事前予約は1日ですべて埋まってしまった

この国宝展は事前予約制で、Webで申し込みを行う。 尾形光琳の「風神雷神屏風図」を見たかったが、残念ながら展示期間中の予約は早々に満杯であった。

次の予約受付期間は11月15日からの2週分を、11月1日の10時から受け付けるという。 早速予約しようと11時頃に予約サイトをみると、早々に予約が埋まりつつあった。

「これはマズイ!」と慌てて妻と2人分の予約を確保。 夕刻にもう一度予約状況をみると、2週間分の予約はすべて埋まっていた。

最初に「菩薩立像」に会いに行く

予約した時間より少し早く東博に到着。 国宝展に行く前に、大好きな「菩薩立像」が展示されているので本館に立ち寄る。

東博

重要文化財の「菩薩立像」は、鎌倉時代の13世紀に制作されたようで、実に美しい姿をしている。 持物を失っているので、単に「菩薩立像」とされているが、本来は「弥勒菩薩像」だったと考えられているそうだ。

撮影禁止だが、「e-国宝」に公開されている。 画像を拡大すると彩色された文様などもよく見ることができる。

 ◎e-国宝 : 東京国立博物館所蔵 菩薩立像

つい先日、作家の井上靖が「東洋のビーナス」と絶賛した、滋賀県長浜市高月町にある渡岸寺(向源寺)の「国宝十一面観音像」を見にいった。 東博の「菩薩立像」は、この「十一面観音像」に匹敵するくらい美しい姿をしていると思う。

東博本館の壁面のタイル

次に陶磁器の展示室に向かい、古伊万里や川端康成の所蔵品だったという中国の青磁盤で目の保養をする。

その後「国宝展」会場である平成館に向かったが、途中に紅葉に染まった中庭に出られる休憩室があるが、あいにくの雨である。

東博

この休憩室の壁面を見ると、小さなタイルをモザイク状に埋め込んで模様を描いている。 イスラムが築いたアルハンブラ宮殿にあるモザイクを思い浮かべた。

装飾タイル

「国宝展」を楽しむ

平成館で開催中の「国宝展」に入場である。 予約した入場開始時間より少し遅く来たせいか、入場口はさほど混んではいない。 しかし一歩会場に入ると、やはり展示物の前は人だかりができていた。

国宝展

見たかった「風神雷神屏風図」の展示期間は終了し、代わりに岩佐又兵衛の「洛中洛外屏風図」が出品されていた。 岩佐又兵衛は、織田信長を裏切って茶碗を持って逃げた「荒木村重」の息子である。 この歴史の流れに思いを馳せながら、もっとゆっくり見たかった。

国宝展

そして「書」は見ても判らないのでパスし、更に「刀」は刀剣女子に占領されていて、見るどころではなかった。

東博に新たに収蔵された「金剛力士立像」は撮影可能であった。

金剛力士像 金剛力士像

子供の頃に切手を集めていたが、欲しかった「見返り美人」や「月に雁」の展示期間は終了。 「見返り美人」の複製が展示され、写真撮影可能であった。

見返り美人

 

その他 特に印象に残った展示品は・・・

関ヶ原で寝返った 小早川秀秋の陣羽織

真っ赤なフェルトのような生地で、背中に2本の鎌が交差する家紋を持った陣羽織。 関ヶ原の戦いで、西軍(石田三成側)敗北のきっかけを作った小早川秀秋の陣羽織である。

小早川秀秋は石田三成の東軍に属していたが、突然の寝返り。 戦国武将の中でもトップクラスの格好良さを持つ大谷吉継の陣に襲い掛かり、大谷吉継を自刃に追い込んだ元凶である。

先日関ヶ原の古戦場を歩き、大谷吉継の陣跡や墓、首塚を訪れたばかりだったので、特に印象は強かった。

  ◎e-国宝 : 小早川秀秋の陣羽織

摩耶夫人像 脇の下からひょっこりはん

飛鳥時代の作という、お釈迦様が摩耶夫人の脇の下から誕生した様子の像である。 摩耶夫人の衣服の袖から、お釈迦様が「ひょっこりはん」と顔を出している。

 ◎e-国宝 : 摩耶夫人および天人像

遮光器土器 縄文人は宇宙人と遭遇したのか?

有名な土器であるが、どう見ても宇宙人。 よく見ると細かく文様が彫られている。 紀元前縄文時代の美意識というか、デフォルメする力、造形力には驚いたが、きっとモデルとなった宇宙人がいたのだろう。

  ◎e-国宝 : 遮光器土器

 

その他多くの国宝や重要文化財が目白押しで、実に見応えのある特別展であった。 できればもう一度見たいが、やはり予約は満杯状態であった。

来週は出光美術館の「陶磁の東西交流」。 さらに現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の北条時政が建立した、伊豆の「願成就院」に運慶の仏像を拝みに行く予定である。 コロナの第8波が本格的に広がる前に遊んでおこう。


 

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