旅行日 : 2018年6月27日~29日
青森から秋田にかけて広がる、世界自然遺産に登録されている白神山地を2泊3日で訪れた。 もちろん梅雨の季節なので、雨に降られる覚悟をしてである。
初日は五能線の十二湖駅から「青池」に上がり「大崩」までの往復山歩き。 2日目は秋田に戻り、レンタカーで「岳岱(だけたい)」と「田苗代湿原」を目指す計画である。
しかし いざ出発してみると列車は暴風のため運休、そして「岳岱」への道は土砂崩れで通行止めと、とにかく想定外の連続・・・ 当初の計画は総崩れとなったのである。
まずは この初日の想定外旅行記である。
「大人の休日倶楽部パス」を利用して
JR東日本管内を4日間乗り放題の「大人の休日倶楽部パス」を利用して、東京駅 6:32発の「こまち1号」で出発する。
「リゾートしらかみ」初体験
秋田からは、一度乗りたかった五能線の「リゾートしらかみ」で十二湖駅を目指す。
しかし新幹線が秋田に近づいた時、
「五能線は暴風雨警報のため運休!」とアナウンスが・・・
「えぇ~ぇ!!」
秋田駅で駅員さんに聞くと、
「東能代まで運行し、その先は代行バスが走ります」とのこと。
「まぁ何とかなるだろう・・・」と列車に乗り込む。
リゾートしらかみ「橅(ブナ)」
リゾートしらかみは、「青池」「くまげら」と、この「橅」の3兄弟が走る。
シートは華やかな色彩で、座席がフラットになるボックスシートの車両もある。
先頭車両には展望室もある。 鰺ヶ沢と五所川原の間では、ここで津軽三味線の生演奏があるようだ。
「ORAHO」カウンターという名の洒落た車内売店。 車窓からの景色を堪能しながらコーヒーなどが飲めるようだ。
代行バスで十二湖へ
秋田から1時間ほど走って東能代に到着。 雨は小降りとなっていたが、残念ながらここで列車は運休である。
駅を出ると2台の代行バスが待っていた。 列車は4両編成だが、あまり人は乗っていなかったようだ。
列車の到着予定より30分ほど遅れて十二湖駅に到着。 私達を含めて5人ほどが下車したが、予定していた「青池」まで行くバスに乗り遅れてしまった。
駅とは思えないような建物の十二湖駅。 無人駅だが、観光地だけあって土産物屋やコインロッカーも備えられていた。
駅弁を食す!
秋田駅で昼食用に駅弁を購入した。 しかし代行バスの中で食べると、匂いなどで迷惑を掛けそうでなので、十二湖の駅まですきっ腹を抱えて我慢する。
「比内地鶏の鶏めし」と「白神そだち あわび五能線弁当」
秋田駅で買った駅弁は「比内地鶏の鶏めし」、妻が「白神そだち あわび五能線弁当」である。
「比内地鶏の鶏めし」は鶏の出汁でしっかり炊き上げられたご飯の上に、鶏肉やそぼろが敷かれてなかなか美味しい駅弁であった。
また「白神そだち あわび五能線弁当」も、軟らかく煮込まれたあわびが贅沢に敷き詰められた、これまた美味しい一品であった。
とにかく青池へ行ってみる
駅弁を食べていると、お土産屋の女性が「次のバスまで時間があるので、タクシー呼びましょうか?」と提案があり、他の客と乗り合いで青池を目指す。
運転手さんが「天気が良ければ向こうに日本キャニオンが見える」などガイドしてくれるが、まったく何も見えない。 代わりに運転手さんが携帯で撮った写真を見せてくれる。 まさに代行バスと代替景色の1日である。
森の物産館 キョロロ
「森の物産館 キョロロ」という店の前でタクシーを下車。 ここはバスで来た時の終点でもある。
青池は普通の小さな池だった
「大崩」まで行けるところまで行ってみようと、まずは登山口となる「青池」を目指して歩き始める。
「鮮やかに透きとおったブルー」とか「吸い込まれるような美しさ」と謳われる「青池」である。
確かに青い! 確かに青いがどうも違う。 透明感は無く、裏磐梯の五色沼などと変わりがない。 それに思っていたよりかなり小さな池である。
どうも光の当たり具合などで、透明感が出るようである。 訪れた日は200%の悪天候。 陽の光などあろうはずもなく、青池は平凡な姿を見せていた。
さっさと青池を離れ、日本海と十二湖を見下ろすことができる「大崩」の展望台を目指す。 しかし時折雨も降り、行っても展望は全く期待はできない。 途中であきらめて青池に引き返し、ブナの自然林を散策した後に、バスを利用して十二湖の駅に戻ることにした。
十二湖駅から歩いて民宿へ
この日の宿である民宿は、十二湖駅まで迎えに来てくれる。 しかし時間も早いし、歩いて10分ほどなので歩くことにした。
この民宿への道は、途中から素晴らしい海岸線を見せてくれ、これは嬉しい想定外の景色であった。
右の岩山をくり抜いている仙北岩トンネルは、僅か9.5mという日本一 実際にはJR東日本管内で一番短いトンネルだそうだ。
民宿 汐ヶ島
あの有名な「不老ふ死温泉」に泊まろうと思ったが、1ヵ月前には既に満室。 そこで十二湖駅近くの民宿「汐ヶ島」を予約した。
この民宿の御主人は大変親切だったが、訛りがきつくて半分程度しか話の内容が判らなかった。 しかしローカル色豊かで、最近にない楽しい経験でもあった。
夕食の時間となり食堂に行くと、ビックリの食卓が待っていた。
「並んで座って下さい」と言うので、向かいに人が来るのかと思ったが、何とテーブル一杯に広がった料理すべてで1人前。 思わず目を見張る量である。
その他カワハギや何かの魚の卵の煮付け、エビの塩焼き、野菜の煮付け・・・ とにかく種類が多く、目だけで一杯になってしまう。
全体的に家庭料理の味であるが、量をもう少し減らし、上質で美味いものに絞った方が良いかもしれない。 また青森は塩分摂りすぎで平均寿命が短いそうだが、確かに味は濃い目であった。
こうして白神山地の1日目は終了した。 結局 白神山地といっても、単に青池の観光で終わってしまったのだが・・・
2日目は秋田に戻り、レンタカーを借りて「岳岱」というブナの原生林を訪れる予定だが、ここでも想定外の事態に見舞われたのである。
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