アルハンブラ宮殿 王宮

グラナダ
王宮の入場予約時間が迫ったので、カルロス5世宮殿近くの入場口に移動する。 私達は15:00で予約し、20分ほど前に入口に到着したが、すでに20名ほどが列を作っていた。

アルハンブラ宮殿は、イベリア半島におけるイスラム最後の拠点であったグラナダ王国(ナスル朝)が、13世紀から14世紀にかけて建設したものである。 イスラム文化の知識はあまりないが、王宮内の精緻な装飾で埋め尽くされた壁面を見て、認識を改めることとなった。

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王宮(ナスル宮)へ

イスラム芸術の頂点と言われるアルハンブラ宮殿の中で、そのハイライトはナスル朝の王宮であろう。 王宮は「メスアール宮」、「コマレス宮」、「ライオン宮」の3つの宮殿で構成されている。 精緻な植物文様や幾何文様で飾られた壁面、優美な噴水を持つ池などを見ながら歩くと、まるでイスラムの世界に迷い込んだ錯覚を覚える。

メスアール宮

アルハンブラ宮殿の中で最も古い部分で、行政や司法を行っていたという。 壁や床、天井に至るまで、細かな装飾に圧倒される。

メスアールの間

壁面には装飾タイルが施されている。

壁面には装飾タイルが施されている。

「メスアールの中庭」を囲む回廊の装飾。

メスアールの中庭から黄金の間

コマレス宮

コマレス宮の「大使の間」である。 様々な国からの使節が、王との謁見や儀式を行った部屋で、ナスル朝の権力の象徴である。 またイスラム最後の王であるムハマンド11世(ボアブディル)が、カトリック両王にグラナダを明け渡した部屋だそうである。

コマレス宮 大使の間

透かし彫りの窓が美しい。

コマレス宮 大使の間

 アラヤネスの中庭

コマレス宮を抜けると「アラヤネスの中庭」である。 天気の良い日には、水面が鏡のように宮殿を映すそうだ。 しかし行った日は曇天で、なおかつ水面が揺らぎ、残念ながらきれいに映り込んでいなかった。

アラヤネスの中庭アラヤネスの中庭アラヤネスの中庭

ライオン宮

ライオン宮は王のプライベートな居住空間で、要するにハーレムである。 アルハンブラ宮殿の象徴とも言われる「ライオンの中庭」があり、12頭のライオンに支えられた噴水が、広場中央に位置している。

ライオンの中庭

広場を取り囲む回廊には細い円柱が立ち並び、その上部のアーチには繊細なな細工が施されている。

ライオンの中庭

噴水の周りでは、たくさんの観光客が写真を撮っていた。 しかし丁度雨が激しくなり、うまい具合に姿を消してくれた。

ライオンの中庭

このライオンの中庭では、妃と密通した相手のアベンセラヘス一族36人と宴を開き、その後全員を虐殺。 生首を噴水の周りに置き、中庭が赤く染まったという、血なまぐさい話が伝わるそうだ。

ライオンの中庭

猫のような可愛いライオンであるが、かつては黄金に彩られ輝いていたという。 しかし偶像を排するイスラムの世界では珍しいような気がする。

アベンセラヘスの間

王の寝室だったそうだが、ライオンの中庭で虐殺された、アベンセラヘス一族の名がついている。 見上げると、モカラベスと呼ばれる、鍾乳石のような装飾が天井を埋め尽くしている。

アベンセラヘスの間

諸王の間

諸王の間はアーチ型の壁で部屋が仕切られ、アーチの連なりが美しい。 鍾乳石飾りも凄いが、それ以上に壁面のレース模様の様な彫刻が目を引く。

諸王の間

部屋に開けられた窓からは、アルバイシンの街並みが望める。

アルバイシンを望む

二姉妹の間とリンダラハの出窓

「二姉妹の間」は、アベンセラヘスの間を上回る美しさという。 しかし写真を失敗した! 残念というより他にない。 しかし部屋の奥にある綺麗に装飾された窓が目を引いた。 「リンダラハの出窓」と呼ばれるものである。 これは何とか撮れていた。

リンダラハの出窓

ソライダとリンダラハという2姉妹が、この出窓から見下ろしていたと言われる、小さな噴水を持つリンダラハの中庭。

リンダラハの中庭

 

これはパルタル宮の貴婦人の塔であろうか? 良く覚えてない・・・

貴婦人の塔

イベリア半島に進出したイスラムは、多くが北アフリカに住むベルベル人だったそうである。 この砂漠の民が異教の地に築き上げた、繊細で華麗の極みを持つ宮殿は、まさにイスラム王朝800年の栄華を物語っていると言える。

 


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