「メスキータ」とは、スペイン語で「モスク」という意味だそうだ。 イスラム王朝である後ウマイヤ朝の785年に建設が始まった。 その後レコンキスタを経てキリスト教徒が権力を握ると、一部が礼拝堂に改築されたという。 したがってイスラム教とキリスト教が同居している寺院である。
メスキータへ
お土産屋などが並ぶ、メスキータ入口のあるカルデナル・エレロ通り。 右側の壁がメスキータである。
イスラム装飾が美しい「パラシオ門」。 幾何学模様のタイルの美しさは、イスラム文化の魅力が溢れている。
メスキータへの入り口である「免罪の門」。 ここを入ると、オレンジの庭である。
オレンジの庭とミナレット
免罪の門から一歩中に踏み入れると、そこはイスラム教徒が身を清めたという「オレンジの庭」である。
回廊から見たミナレット。 ミナレットはイスラム建築の鐘楼で、礼拝の時刻を伝えていた。 途中から上の鐘楼部は、どうもキリスト教徒により上乗せされたらしい。
連続するアーチの大空間 「円柱の森」
メスキータのハイライトは、何と言っても「円柱の森」である。 無限と思えるような、連続する2重アーチの大空間は、荘厳な祈りの場を作り上げている。
昔は1012本の円柱があったが、キリスト教徒による教会への改築時に一部が壊され、現在は856本に減ってしまった。
カトリック教会への改築を許可したカルロス1世は、改築後のメスキータを見て、「世界に一つしかないものを破壊してしまった・・」と、後悔したそうだ。
メリダにある古代ローマ水道橋を参考にしたといわれる2重アーチは、赤レンガと石灰岩の白で縞模様が作られている。
ミフラーブ
聖地メッカのカーバ神殿の方向を示すキブリ壁というものがあり、目印となる「ミフラーブ」と呼ばれる小さな窪みがある。 周囲は華やかな金地とモザイクに飾られている。
このミフラーブ手前の天井を見上げると、八角形の素晴らしい装飾が施されたドーム屋根を見ることができる。
プエンテ門とローマ橋
メスキータの裏手を流れるグアダルキビル川の傍らには、かつて街を囲んでいたアラブの城壁の一部である「プエンテ門」が建つ。
プエンテ門をくぐると、ローマ時代に築かれたローマ橋である。 橋の中ほどには、コルドバの守護神である、サン・ラファェルの像が立つ。 正面の建物は、イスラム時代の要塞であった「カラオーラの塔」。
川の対岸からメスキータを望む。