モデルニスモの建築家として、日本ではガウディの名が圧倒的に知られている。 しかし、かつてはガウディより名が知られ、「花の建築家」と呼ばれた、”リュイス・ドメネク・イ・モンタネール”という建築家がいる。 モンタネールが建築学校の教授の時に、ガウディはその教え子だったそうである。 このモンタネールの代表作である、2つの建物を訪れた。
サン・パウ病院
1902年から1930年にかけて建てられ、実際に病院として2009年まで使用されていたが、老朽化が進み閉鎖。 現在は修復が完了し、一般公開されている。 「こんな病院なら、何週間も入院していたい!」と思わせる、病院とは思えない、優雅さを感じる建物であった。
サン・パウ病院からは、ガウディ通りの向こうにサグラダ・ファミリアが見える。
多くの建物が立つが、病棟の様であった。 最近のガラスでできた四角いビルに比べ、優雅さを感じる。
ステンドグラスからは、明るい光が差し込む。
天井もカラフルだが、派手さをあまり感じさせない装飾である。
この様な病院に入院すれば、病気も早く治ることだろう。
カタルーニャ音楽堂
モンタネールのもう一つの代表作が、旧市街にあるカタルーニャ音楽堂である。 今回は単に内部の見学だけではなく、フラメンコのショーを見ることにした。 コンサートホールとしては、さほど大きくはない。 しかし内部の豪華絢爛さには「凄い!」の一言である。
開場を待つホワイエのような場所のステンドグラス。 教会のステンドグラスと異なる淡い色彩なので、明るく、軽快さを感じる。
ホールの中は、豪華絢爛の一言に尽きる。
何と言っても、天井から下がるステンドグラスが目を引く。
訪れる日はフラメンコのショーがあることをネットで知り、事前に席を予約しておいた。 ステージからは遠かったが、街中のバル(タブラオ)での踊りより、洗練された踊りであった。
ガウディとモンタネールの建築を見て回ると、”ガウディは奇想の建築家、モンタネールは花の建築家”と言われることが、素人ながら判るような気がする。 それにしても、どのような発想でこのような建築デザインが生まれるのだろうか?