国宝 松本城から槍ヶ岳を望む 松本市(長野県)

松本城

訪問日:2019年4月5日

1泊2日で旧中山道の下諏訪宿から木曽路の入口である贄川まで歩いた。 歩きながら雪で輝く乗鞍や常念岳を眺めているうちに、この白銀の山を背景とした松本城を見ようと、もう1泊延長することにした。

このように衝動的に松本を訪れたので、まずは観光案内所に立ち寄って「街歩きマップ」など観光パンフレットを貰い、とにかく松本城を目指して歩きだす。

 

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白銀の北アルプスと松本城

別名深志城とも呼ばれ、文禄2~3年(1593~1594)に建てられ、五重六階の天守閣を持つ。 そして姫路城、彦根城、犬山城、松江城とともに、五つの国宝城郭の一つである。

背景の山並みは、左から常念岳、横通岳、そして大天井岳から燕岳への表銀座の稜線が続く。

松本城

これまで何度も訪れたことはあるが、このように青空と白く輝く北アルプスを背景とした松本城を見るのは初めてである。

左右対称に見える

見る角度により、左右対称に見える天守閣。 見事である!

松本城

松本城正面

天守閣は外から見ると5層だが、内部は6層の五重六階の造りである。

鉄砲狭間や矢狭間は115箇所もあるそうで、まさに戦うための城である。

松本城

天守閣内部へ

天守閣を下から見上げる。 石垣のすぐ上には、石垣を上ってくる敵を防ぐ石落と、その壁面に矢狭間や鉄砲狭間が設けられている。

松本城

天守閣内部。 いざ戦となった時、ここに武士が集まって士気を高めたのだろう。

松本城

天守閣最上階から槍ヶ岳を眺める

天守閣最上階から北アルプスを眺める。 上高地を流れる梓川の東に連なる、常念山脈である。

常念岳

槍ヶ岳が見えることは知っていたが、初めて拝むことができた。 本当に槍の穂先部分が、ちょこっと顔を出している。

槍ヶ岳の部分を拡大し、コントラストを強めてみた。

槍ヶ岳

【 槍ヶ岳 】

標高3,180m。 富士山、北岳、奥穂高岳、間ノ岳に続く、日本で5番目に高い山で、その名の通り天を突く槍のような山容を持っている。

富士山や筑波山などの独立峰を遠望した時と同じように、槍ヶ岳が遠くから見えると、「あっ! 槍が見える!!」と思わず嬉しくなってしまう。

とにかく槍ヶ岳は北アルプスの中で象徴的な山で、どこから見ても絵になる山の一つである。

二の丸跡からの天守閣

本丸御殿は享保12年(1727)に焼失。 その後 藩の政庁は二の丸御殿に移されたという。 発掘された二の丸跡は整備され、平面復元されている。

松本城

太鼓門

平成11年に復元。 石垣上に大太鼓が置かれ、時や登城の合図、火急時の合図などを太鼓で知らせていたそうだ。

太鼓門

城下町を巡る

松本城を楽しんだ後、観光案内所でもらった「街歩きマップ」を片手に、市内に残る城下町の雰囲気を求めて歩き回る。

牛つなぎ石

戦国時代、武田信玄の軍が塩不足に陥り、敵方の上杉謙信が塩を送ったことは有名である。 この時 塩を運んできた牛をつないだという伝説が残る石である。 しかし牛を繋ぐための穴がない・・・

牛つなぎ石

和洋折衷が美しい旧開智学校校舎

明治9年(1876)に創建された、国内最古の小学校のひとつ。 色ガラスなどを使って、端々に文明開化が感じられる擬洋風建築である。

開知学校開知学校

旧司祭館

旧開智学校のすぐ隣にあり、明治22年(1889)にフランスのクレマン神父によって建てられた西洋館。

旧司祭館

石置き屋根の武家屋敷 高橋家住宅

松本藩が藩士の住まいとして所有していた武家住宅。 今風に言えば官舎である。

17世紀前半から、高橋家が移り住んだ1726年までの間に建てられたそうである。 訪れた日は休館日で、見学はできなかった。

高橋家住宅

蔵の街・中町通り

白と黒のなまこ壁を持つ蔵造りの店が軒を連ねている。 なまこ壁が多いのは、やはり雪が多いためだろうか?

中町通り松本市内松本市内

木造3階建ての建物も残っている。 料亭か何かだったのだろうか?

松本市内

重厚感ある蔵が残り、城下町の歴史と文化を感じることができる。

松本市内松本市内

レトロモダンな建物が残る 上土通り

上土通り界隈には明治から昭和初期に建てられた、レトロ感漂う洋館が残る。

観光案内所でもらった街歩きマップには、この界隈を「大正ロマンの街」と書かれていた。

松本市内松本市内

「雀おどり」を持つ家も残る

上土通りから少し入ると、蔵造り、昭和レトロ そして「雀おどり」を持つ本棟造りの家が並んでいた。

松本市内

「雀おどり」とは、松本平に多く見られる切妻民家に見られる、堂々とした風格の棟端飾りのことである。 江戸時代には庄屋などに許されていた造りだそうである。

雀おどり

酒造りに使われた水が湧く「源智の井戸」

松本市内には随所に井戸や湧水が湧いている。 その中の一つである「源智の井戸」は、城下町形成以前から飲用に使われ、歴代の藩主はこの水を保護したそうだ。

源智の井戸
 
長野の松本といえば、国宝指定されている松本城が有名である。 特に今回のように、青空と白く輝く北アルプスを背景に聳える天守閣は美しい。

しかし松本城だけではない。 かつての城下町には、明治から昭和にかけての蔵造りや、レトロな和洋折衷の建物が残る、魅力的な街並みを持っている。

特に今回は、松本市内から槍ヶ岳を遠望することができたのは幸運である。

これから松本城を訪れることを考えている方には、空気の澄んでいる時期を選んで訪れることをお勧めする。
 
 


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