「北総の小江戸」と呼ばれる水郷の町 佐原(千葉県)

小野川

訪問日:2019年3月21日

“北総の小江戸”と呼ばれる千葉の佐原を訪れた。 小野川沿いには、江戸の雰囲気を伝える蔵造りの商家や町屋が軒を連ねている。

東日本大震災では、土蔵の屋根瓦が落ちたり壁が崩れ、また小野川の護岸も崩れるなどの被害を受けたようだが、すっかり修復されて綺麗な街並みが復活していた。

訪れたのは祭日だったが、小雨のせいか観光客も少ない静かな街並みを味わうことができた。

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佐原駅に到着

のんびりとJRの成田線を利用して佐原駅に到着。 駅舎も町の雰囲気に合わせた古民家風であった。

JR佐原駅

【佐原の歴史】

徳川家康が江戸に入城し、治水や防衛上から利根川の東遷事業が行われ、東京湾に注いでいた利根川は、銚子を河口とする流路に付け替えられた。

これにより佐原近辺は新田開発が進み、一大穀倉地帯になると同時に、利根川を利用した舟運が盛んとなり、佐原は利根川随一の河港商業都市へと発展した。

このような経済発展は、この地域の文化や学問にも影響を与え、日本全国を測量して『大日本沿海輿地全図』を完成させた伊能忠敬は、この地の出身である。

小野川沿いの街並み

利根川の支流である小野川沿いには伝統的建造物が多数残り、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

小野川

荷揚げ用の石積み階段には、小さな雛人形が飾られていた。

利根川は大型の「高瀬舟」が行き交ったが、小野川には小型船で物資を運んだ。 川岸には米穀を中心とした問屋が軒を連ね、店の前に荷の積み下ろし用の階段と木製の張り出しが作られた。

佐原

佐原佐原sawara-7

正上醤油株式会社

天保3年(1832)築。 明治初年に建てられた袖蔵を含め、建築当初のままで江戸時代の店構えを残している。

佐原

忠敬橋近辺の街並み

小野川に架かる忠敬橋を中心とした県道沿いにも、多くの古い建造物が立ち並ぶ。

中村屋乾物店

明治25年(1892)築。 建築当時の最高の技術を駆使した防火構造で、壁の厚さは1尺5寸(約45センチ)あり、完成に2年以上を要したという。

2階の観音開きの扉には、「勝男節」「祝儀道具」と書かれた木製の看板が埋め込まれている。

佐原

中村屋商店

安政2年(1855)築。 左の白壁の蔵は、明治25年の大火後に建てられた3階建ての袖蔵だそうだ。

佐原

福新呉服店と小堀屋本店

左の土蔵造りの店舗は、文化元年(1804)創業という老舗呉服店。

中央の建物は天明2年(1782)創業の蕎麦屋で、道具類や蕎麦作りの秘伝書が明治23年(1890)築の土蔵と共に残っているそうだ。

佐原

正文堂

明治13年(1880)築。 書店だが、その看板に昇り龍、降り龍を配しているというが、下の蒲鉾型の部分だろうか? 良く判らなかった。

佐原

三菱銀行佐原支店旧本館

大正3年(1914)築。 レンガを積み上げた洋館も残る。

佐原

奥行きのある屋敷の形状

屋敷の形状は間口が狭く、奥行きのある形状である。

道路に面して店舗があり、その奥に住空間、中庭、土蔵と続く形が多かったそうだ。

佐原

伊能忠敬旧宅とジャージャー橋

日本全国を測量して回り、日本の地図を作製したことで有名な伊能忠敬。 左の白壁の家が旧宅で、酒造りの商売をしていたそうだ。

右手の橋からは、何故か水が流れ落ちている。 「樋橋」 別名「ジャージャー橋」と呼ばれている。

じゃーじゃー橋

【樋橋(ジャージャー橋)】

昔、小野川をまたいで農業用水を通すため、大きな樋(とよ)が造られ、その樋の上に板を渡して「樋橋」となった。 この樋橋の両側から水が溢れて「じゃーじゃー」と音をたてて川に流れ落ちたことから「ジャージャー橋」という名が付いたそうだ。

現在は午前9時から午後5時まで、30分間隔で観光用に水を流している。

小野川から農業用水を引けば良いと思うが、土地に高低差があるのだろう。 さすが伊能忠敬出身地だけあって、測量技術が高かったようだ。

「佐原の大祭」の山車を見学

毎年7月と10月の年2回、300年の歴史を持つ「佐原の大祭」が開催されるという。

ユネスコの無形文化遺産に登録された祭りで、市内を引き回す山車が展示されている「水郷佐原山車会館」を訪れた。

佐原の大祭

佐原の酒造めぐり

佐原には江戸時代から続く、「馬場本店」と「東薫酒造」の2軒の老舗蔵元があるので訪れてみた。

馬場本店酒造

300年以上前に開業した糀屋から始まったという老舗の酒蔵。 勝海舟が逗留したそうで、レンガ造りの煙突が雰囲気を出している。

馬場本店酒蔵

東薫酒造

訪れた時、ちょうど酒蔵見学が始まるところだった。 しかし酒は見学するより飲むものである。

利き酒を楽しんで、買った1本は「本格辛口」。 そのものズバリの銘柄である。

本格辛口

うなぎで締める

利根川で天然ウナギが獲れるせいか、佐原はウナギの激戦区だそうだ。

駅に向かって帰る途中にあった「長谷川」で、ビールとうな重で佐原の旅を締めることにした。

うな重


佐原に行こうと思ったきっかけは、佐原市教育委員会が作成した「水郷の商都 佐原の町並み」という資料を入手して読んだことである。

佐原の歴史や町並み、建築物の特徴、利根川や小野川の水運などに関してまとめられた資料で、なかなか興味深く、当ページ内でもその一部を引用させてもらっている。

また各建物の建築年代などは、観光協会でもらった「小江戸めぐり」というパンフレットを参考にした。


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